エー・・・えへん。・・・虫というものはぁ、実にコノ奇妙ないきものでして・・・。
しかしまた・・・落語のほうには、わざわざこれを食してみようなんてぇおっちょこち
ょいが・・・・かならず出てくるもんで御座いますな。
どんどんどん! オイ、ざむざッ、いるんだろッ。いたら返事しろいッ。・・・なんだ
い寝てるんじゃねぇか。・・・おいッ。どうしたんでぇそのなりは。妙に黒光りして、足ィ
天井へ向けてつっぱらかって。どっか具合でも悪いの?足がこんなに節くれだっちゃって・
・・・ひぃふぅみぃよ・・・・おどろいたね、六本あるよ。・・・こりゃ虫だね。
そいや昨日の晩、湯の帰りにこいつに会ったら、こんなでっけぇ毒虫ぶるさげて歩いて
たよ。それどうするんだって聞いたら食うって言うから、おめぇこの陽気にそんな虫食っ
たら当たるぞって言ってやったのに、食いやがったんだな。えぇ?・・・どうも、おどろ
いたね。虫食って虫ンなっちゃったよ・・・。ひどいねどうも・・・・まったく・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(居眠り)。
(観客)しーっ、起こすな。寝かしといてやれよっ!!